ずっと、ずっと、あなたのそばに [原作]
「いま、会いにゆきます」の澪の側からの物語。原作の後半部分とほぼ同じ。
サブタイトルには"映画「いま、会いにゆきます」─澪の物語"とある。
しかし、ストーリーは映画ではなく原作のそれ。映画のノベライズを期待した人には羊頭狗肉である。
しかし、「いま、会いにゆきます」のキモである澪の回想・謎解きのこのパート、そこだけを手軽に読むには充分である。
人が死に、そして摩訶不思議にも生き返り(本当は違うが)、そしてまた別れる。
悲しい、切ないストーリーをこのパートが別のものに変える。
それは、読み手によって差異はあるだろうが、何とも言えない心地よい風が吹くような、決して悪くはない気分にさせてくれると思う。
澪は知ってしまった、自分の未来を。
巧と一緒になるのは、未来がわかってたから。「絶対」があったから一緒になった。
しかし、その「絶対」は澪自身の運命も。。。
その、澪が決断する時の気持ちを想像するに、一種の感動を覚えずにはいられない。
「感動」、安っぽくも聞こえ、どこかのボンクラ首相も安売りをしていたこの言葉、普段は使わないよう使わないよう意識しているのだが、この言葉以外に適切な言葉が見当たらない。
別れがあるものの、Happy Endな気持ちにさせてくれる「いま会い」、
どっぷりハマりたい人向けの166ページです。
若月かおり 小学館 2004年11月1日 初版第一刷 ISBN4-09-408029-5
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